angoudama’s blog

兼業でライターをやっています。本業は自宅警備兵です。

【俺ガイル】12巻 考察 心理学的に比企谷・雪乃・結衣を見てみよう

 

 

こんにちは、アンゴウ・ダマです。

『やはり俺の青春ラブコメは間違っている12巻』が発売されましたね。
前巻である11巻の発売が2015年6月24日ですから、おおよそ2年と少しの時を経ての発売となりました。
発売が長引きすぎて『わたりん……最新刊いつ出るの?もう待つのやめてもいいよね?』と少々拗ねるような気持ちになっていましたが実際に発売されるとあら不思議。アニメの1期と2期を見かえして、理解が追い付いていない部分は原作を読み直すというツンデレぶり。

 

いや、それだけする価値はあった

 

てことで、『心理学的』に『俺の青春ラブコメは間違っている12巻』を考察した内容をツラツラと書いていきますねー。

(僕の心理学の知識は大学で心理学科に所属していた程度ですのであくまで参考までに!)

 

 

※ ネタバレを含みますのでご注意を!

↓         ↓          ↓

 

 

 

 

 

 

 


・おおざっぱな12巻のあらすじ

 

では始めに12巻のあらすじを簡単に確認してみましょう。

➀ 雪乃の依頼が明確になる(詳しくは後述)

 

② 奉仕部に生徒会から卒業生の謝恩会でプロムをやりたいという依頼がくる

 

③ 雪乃はその依頼に個人的引き受ける。理由としては「自分でやってみたいから」

 

④  小町が高校受験に合格する(オメデトー‼)

 

⑤  順調かに思われていたプロムの開催が怪しくなる(原因はラスボス雪ノ下母)

  雪乃はなんとかして保護者側(主に雪ノ下母)を納得させる準備をする

 

⑥   雪ノ下が自分は比企谷と結衣に依存していると口にする

 

⑦  比企谷と陽乃の会話で比企谷・雪乃・結衣の関係は「相互依存」であると告げられ  
  る(ちなみに比企谷くんは『三角関係?』と答えました。こんなときはラブコメ脳    

  なのか!)

 

⑧   学校側がプロム中止判断、比企谷は雪ノ下との『約束』を果たすため駆け出す

 

はい、大雑把にこんな感じでしたね!いやー面白かった、本当に。

まぁ12巻を読んだことを前提にして書いているので細かいところはご了承ください。

読んでいて辛い内容だったけど「比企谷の成長したなぁ」と親心に似た気持ちを抱いてしまうのは僕だけですか?

 

 


・ 俺ガイル12巻のどこを心理学的に見るか

ではさっそく本題に入っていきましょう!

まず始めに決めておきたいのは12巻のどこを心理学的見るのかということ。基本的に下記のようなポイントにスポットを当てて、考えていくことにします。

 

 

➀ 雪ノ下雪乃と雪ノ下母の関係性

 

② 奉仕部と葉山グループの違い

 

③ 比企谷・雪乃・結衣の関係の変化について

 

では詳しく説明を……とその前に「比企谷・雪乃・結衣のそれぞれの依頼」について理解しておきましょう。
このあたりをちゃんと知っておいたほうが面白いです。

 

 

・ 比企谷・雪乃・結衣それぞれの依頼とはなんなのか?

 3人の依頼が出揃うのは11巻の最後のあたり、そして12巻の前半部分です。
明確に言葉にされていなかったりしますが、おおよそこんな感じです。

 

・ 比企谷の依頼 → 『本物がほしい』

 

『比企谷の依頼はコレだ!』と明確に説明されているわけではなく、絶対に正しいとは
言えませんが、恐らくこのあたりが比企谷の依頼になるのだと思います。
ただ、もう少し突っ込めば

人との関わりで自分の考えを殺して今の関係を維持するのは欺瞞。自分は人と「理解し合いたい」のではなく相手のことを「完全に理解」したい。とても傲慢な考え方だと分かっているけど、そういった考えをお互いに許容できる存在、それが自分の言う本物』

ってな感じですかね。

(できるだけ分かりすく説明したつもりでしたが抽象的ですね……たぶん僕もよく分かってないのだと思います。)

 

追加で『比企谷くんは自身の『本物が欲しい』という発言が、奉仕部の依頼として引き受けられたことに気が付いてない』っていうのも理解しておきましょう。


雪乃・結衣に「あなたの依頼」といわれても「?」ってなっちゃってますし、これがハーレムラノベ主人公の鈍化さというやつなのか!

 

 


・ 結衣の依頼 → 『欺瞞でも今の関係のままでいたい』

 

11巻の最後のほうで結衣は非常に・とても・ビックリするぐらい抽象的な言葉で依頼したのが『比企谷の嫌う嘘や欺瞞であってもいいから今の関係を続けたい』という意味の依頼でした。言ってみれ

恋愛感情とか雪乃の依存の件を言葉にしたら今の関係がぶっ壊れるからもう黙っていようぜ

みたいな。

でもこの依頼、奉仕部の面々は受け入れてないんですよね。
結衣が雪乃に『恋愛感情とか雪乃の依存の件は無視して欺瞞の関係を続けようぜ』と提案したのですが比企谷が『それは雪乃が決めること』と却下。それに対し結衣は『そういうと思ってた』と発言。そして雪乃も『自分で答えを出したい』と提案しました。


でも比企谷に対して『そういうと思ってた』と発言したのは、初めから自分の依頼は断られるのが分かっていて、今の欺瞞の関係から脱却することを「選んだ」ってことでしょうか。

 まあ、結衣が本心ではどう思っているのかは11巻の時点では分かりませんでしたけどね。

結衣の本心が明確になるのは12巻のラストですので、その辺りが本音でしょうな)

 

 


・  雪乃の依頼 → 『精神的に自立するために母・姉と決闘するのを見届けて』


かなり適当に書きましたが12巻を読んだ人なら意味は伝わるでしょう、だいたいあってる!それあるー!
12巻の前半で雪乃は比企谷と結衣に、

 『どう振舞えばいいのか分からないのん』

 という発言をしています。


というのも、雪乃は昔から親に自由にさせられすぎて何をどうすればいいか自分では決めなれない。だから誰かに依存していた。陽乃とか雪ノ下姉とか、今は比企谷とか)

 というか、自由にさせると言いながら、その実、雪ノ下母は雪乃を自分の言う通りにさせるような言葉使いや言動(私が悪かったのよね‥…ううっ、みたいな)をしているあたり、「自由すぎたから何をしていいのか分からない」のでなくて母との関係が相互依存であったから自分では何も決められないようになった」ってのが近いですね。

そもそも雪乃は昔「父の営んでいる建設業」に興味があった。

でも「それを継ぐのは姉である陽乃だとわかっているし、雪ノ下母が自分の意見を聞いて考えを改めることはないだろう」ということも分かっている。
「それでも雪乃は雪ノ下母と話した上で諦めたい、それが自分が新たな一歩を踏み出すキッカケになるのでは?」と雪乃は申しているのです。

 

 


さて、いろいろ書きましたがこれで比企谷・雪乃・結衣の依頼は出揃いました。
では3人の「状況」と「考え」を踏まえたうえで、心理学的に見て面白そうなポイントを見ていきましょう。

 

 

 


➀ 心理学的に雪乃と雪ノ下母の関係性を見てみよう

 

はい、ようやくタイトル回収です。ちょっと違うか。
全く関係ないですが『俺ガイル』のタイトル回収って1巻でやっていましたっけ?
てか『やはり俺の青春ラブコメは間違っている』ってタイトルの割に12巻ではもうラブコメ要素が死にかけです。いや『間違っている』から死にかけが正しいのかいな

さて本題ですが、雪乃と雪ノ下母の関係性を心理学的に見ると以下のような可能性があります。

 


雪ノ下雪乃と雪ノ下母の関係性はアダルトチルドレン的な傾向を孕んで

 いる……かも』

 


……なんか物騒な文章ですが『アダルトチルドレン』の意味を知っている人が聞けば「あーなるほど」と思って頂けるはずです。
アダルトチルドレンを簡単に説明すると、

心理的なトラウマを抱えたまま成人してしまった状態』のことを言います。

例えばアルコール依存症の親に育てられたとか心理的虐待されていたとか、そのときのトラウマが思わぬ形で人生を生きるのを阻害する。酷く分かりやすく言えばそんな感じです。

例えば「コミュニケーション能力に破滅的な問題がある」とか「人間関係の構築が下手というレベルの話では収まらないぐらいに難がある」みたいな問題が生じたりします

が、雪乃の場合は上記したような家庭環境というわけではなく、まして人との関係がどうやっても築けないわけではありませんので、恐ろしく酷いアダルトチルドレン的な傾向があるとは言えません。

ここまで聞くと「雪乃の家庭環境は良い方だろ。なんでそうなるの?」という人がいるかもしれませんが、これは「家庭に経済的な余裕がある」とか「家柄が良い」とかそういったことは関係ありません。
例えば「母親が親父の悪口を娘に向かって毎日のように言う」という親の行為などでもアダルトチルドレンを誘発する原因になりえるのです。

 

であるなら、雪ノ下母の「雪乃自身を自由にさせているようで、実際はアレコレと雪乃が従わざる負えない理由(私の育て方が悪かったので……ううっみたいな)を付けて、自分の思い通りにさせる」という方法も、アダルトチルドレンを誘発させるのに十分な行動なわけです。

 

それとアダルトチルドレンの特徴の一つに共依存があります。
ピンときた人いますよね?雪ノ下陽乃が言っていた共依存ですよ、共依存

 

      比企谷八幡  雪ノ下雪乃  由比ヶ浜結衣

 

 

はい、この3人の関係を何と言うか。以前、

陽乃は比企谷に「雪乃ちゃんとアナタとの関係は信頼なんかじゃない、もっとおぞましいもの」というようなことを言いました。

で、12巻のラストあたりで陽乃は比企谷に「アンタらの関係は『共依存』ですぞ」と伝えます

つまりです、雪ノ下雪乃は始め母親と共依存(依存)の関係にあって(今でもそうかもしれないし違うかもしれない)、その共依存(依存)は結局のところ比企谷・結衣に対象が移っただけであってなんの問題も解決していない、と陽乃は言いたいのです。


まあ、正直この辺りは『他の方が書いている俺ガイルの考察記事』でも言われていたことですね。ただ、雪乃の一方的な依存ではなく、比企谷も結衣も雪乃に依存している『共依存だとは僕は気が付きませんでした。(陽乃パイセンは最強のパイセンだなぁ)
事実、比企谷も『共依存』という関係性に納得しているようでしたしね。

 

が、陽乃は「でも雪乃の共依存は終わって独り立ちして大人になる」とも言っています。このことについて陽乃は、なんだか寂しそうな雰囲気を醸し出していましたが、本音では何を思っているのか気になるところです。

 

ただし、これを聞いて「比企谷・雪乃・結衣はアダルトチルドレンだ!」と決めるのは少し違います。
てかアダルトチルドレン的な特徴は、多かれ少なかれ誰もが当てはまる部分があったりしますから、あくまでその傾向がある、に留めておくのが良いでしょう。

雪乃だけではなく、比企谷も結衣もその傾向があるかもね、ぐらいのことです。

さらに詳しく知りたい方は調べてみてくださいね!

 

 

 


② 奉仕部と葉山グループの違い

 

『俺ガイル』の中でも比企谷が話題にしている中学校や高校とかで自然と出来上がるグループのこと、実はそれらを説明する言葉に

『ギャング・グループ/ チャム・グループ/ピア・グループ』

という言葉があります。

・ギャング・グループ 

小学生の頃に出来る同性同士のグループで、秘密の共有をしたりすることで親密性を高める集団です。「おれらのひみつきち!」ってイメージを持っていただければ大丈夫です。

・チャム・グループ
小学校高学年・中学生に形成されるグループであり「同じであること」を大切にし「違うモノを排除する」という関係のことです。
例えばおそろいのモノを身に着けたり、乱暴に言えば「うちら同じズッ友だょっ‼」というのもチャム・グループの特徴と見てもいいでしょう。
また「自分と他人は違う」ということ受け入れるのが難しいグループでもあります。

 

・ピア・グループ
基本的に高校生ぐらいから見られるグループであり「自分と他人は違う」ということを理解しているし、なにより排他的ではないグループのことを指します。また男女混合のグループであることも大きな特徴ですね。
そして「自分と他人は違う」ことを前提として交友関係を築くことができるのです。

 

さてさて、この用語を知ると比企谷を取り巻く人間関係の在り方が少しだけ鮮明になるのではないでしょうか。

比企谷・雪ノ下・結衣のグループ(部活だけどグループと言ってもいいでしょう)はいったいどの種類の特徴を孕んだグループなのか、また葉山のグループの在り方は欺瞞に満ちているようで思いのほか大人の人間関係を築きつつあるのかも、なんて考えることができます

こう考えると「俺ガイルの登場人物は子供っぽい関係でネチネチやっている」みたいに映るかもしれませんが、最近ではピア・グループの形成が大学生になっても出来ないという傾向もあるようなので、むしろ「現代の思春期における人間関係を描いている良い作品」だと言えますね。


んー……、比企谷くんはギャング・グループとかチャム・グループとかをすっ飛ばした結果、現在こんなにも悩んでいるのかもしれませねー。
彼の思う「人間関係はこうあるべき」という考えはギャング・チャムの特徴をけっこう受け継いでいる気がするのですが、どうでしょうか。

 

 

 

③ 比企谷・雪乃・結衣の関係を心理学的に見る

 

さてさて『俺ガイル』を読んでいて時々思うことが一つあるのですが、それは『比企谷・雪乃・結衣の奉仕部のスタンスはカウンセリングに見られる問題解決への過程と結構似ている』ということです

カウンセリング、と聞くとあまりピンとこないかもしれませんが、中学やら高校で見るスクールカウンセラーもカウンセラーと呼ばれる職業ですね。

クライエント(依頼者)が抱えている問題を専門知識や専門技能を用いて『援助』するのが目的です。
いいですか!『援助』が目的であって『解決策を提示する・実行するのが目的ではない』わけですね。

 

さてさて、このあたりの説明に似たことを一巻で雪乃が言ってませんでした?
「飢えた人に魚を与えるのではなく、魚を捕る方法を教える。結果を与えるのではなくて、方法を教える。つまりあなた次第みたいな。

なかなか拡大解釈かもしれませんが、カウンセリングによって解決を目指すのも、誰かに相談を持ち掛けて解決を目指すのも、奉仕部のスタンスも根本的に大切な部分は変りない。僕はそう考えます。

 

当たり前と言えば当たり前ですが、なかなかどうして大切な人や親しい人になると「飢えているなら魚をあげればいいじゃない!」っていう考えに至ってしまうわけです。
根本的な問題の解決にならないと知っていながら後になって「俺は選択を間違えたのだ……」と自覚する主人公もいますしね。
特に頼って欲しい願望が強い人とか、手を差し伸べることに過度の快感を得てしまう人とか、相手の本当の気持ちに目がいかず結局意味のない救いをしてしまうことがあります。

 

あ、そういえばカウンセリングの過程でクライエントがカウンセラーに依存してしまうという現象もあったりしますね。また「逆にカウンセラーがクライエントに依存してしまいそうになる」ということもあったりします。
もしくは「クライエントが恋愛感情に似た気持ちをカウンセラーに向けてしまう」こともあったり……。

 

なんだかこの辺りの話も似てません?
比企谷・雪乃・結衣の関係性に近しいものがあると私は考えています。

本当はもう少し突っ込んで書きたいのですが、大学の講義で「こういう知識は軽々しく人に言ったりしてはいけない」と教えられたのでここら辺りで止めておきます。何がどんな影響を引き起こすか分からないですから。
まぁ、上記した程度の話なら

「あたしが元彼にフラれたときに今彼に相談して、それから付き合うことにしたの!きゅんきゅん」と同じ程度だろうと思っておりますので書かせて頂きました。

 

 

※ 結局、彼と彼女らの関係はどう発展していくのか

 

ここからは僕の勝手な妄想ですので信憑性は皆無ですし、わからない部分がまだまだあるので多くは語れませんが、恐らく「比企谷は雪乃・結衣のどちらかと付き合うということはないのでは?」と思ってみたりしています……と書きましたが、いまこの文章を書いている最中も「本当にそうだろうか」と思ってしまいます。いや、本当にわからん。

 

比企谷の求める「本物」というものに恋愛感情は含まれても良いものなのか。
ラストシーンで雪乃を助けることを選択した際に「約束したから」という理由を選んだが、助けて欲しいと約束した時は依存している状態の雪乃の言葉であって、その言葉は依存関係を抜きにして放たれた言葉なのか。
結衣が自分の恋愛感情を諦めて、雪乃を助けに向かう比企谷を止めようとしなかったのは、たとえ今の関係が終わって比企谷と雪乃が恋仲になったとしても、比企谷が「本物」を手に入れるためを思っての行動なのか。

もう書いていてよくわかりません、詳しい人助けて!

 


・ おわりに

はい、色々書きましたが僕が言いたかったのは

 

1 雪ノ下雪乃アダルトチルドレンっぽいところがあるかも

 

2 比企谷の考え方や彼を取り巻く人間関係をギャング・チャム・ピアグループの視点

  で見ると面白い

 

3 奉仕部のスタンス、そしてそこに所属している彼と彼女らの関係は、非常にカウン  

  セリングっぽい過程を踏んでいる

 

の以上ですね。今後の比企谷・雪乃・結衣の関係の変化は非常に楽しみですし、どのような選択をするのか注目したいです。わたりん、次回作まだー?